息子を理解する大きな助けになった本『自閉症の僕が跳びはねる理由』

自閉症の著者が教えてくれる現実感

息子がグレーゾーンだとわかってから、これまでに100冊以上、
数えきれないほど多くの関連書籍を読んできました。

その中で「これは手元に置いておきたい」と思えた本は、これまでに3冊ありました。
そのうちの1冊が『自閉症の僕が跳びはねる理由』です。

著者の東田直樹さんは、自身も自閉症の方です。

一般的に自閉症の方は自分の考えや気持ちを言葉で伝えることが苦手だと言われますが、
東田さんは文字にすることでそれができたため、
13歳のときにこの本を執筆されました。

自閉症の症状は人それぞれですし、
息子はグレーゾーンなので、症状がそのまま重なるわけではありません。

それでも、この本からはとても多くのことを学び、
非常に貴重な気づきを得ることができました。

客観的に理解できているのに、身体が勝手に動いてしまう

自閉症の方が突然大きな声を出したり
急に勢いよく動き出したりする様子を見かけることがありますが、
あれは本人が「やりたくてやっている」のではなく、
身体が勝手に反応してしまう
のだそうです。

周りにどう思われるかも分かっていて、抑えたいという気持ちもあるのに、
それでもどうしても止められない——
それを読んだとき、涙が止まりませんでした。

息子も、怒りたくて怒っているわけではないし、
暴れたくて暴れているわけでもない。
周りからどう思われているかも、ちゃんと分かっている。

それでも、自分ではどうしようもなかったのだ、と気づかされました。
注意したり、叱ったところで解決するものではないのです。

世界の見え方も全然違っている

もう一つ衝撃的だったのは、東田さんに見えている世界そのものでした。
視界に入ってくるときの見え方が、文字通りまったく違うのだそうです。

細部まで鮮明に見えるため、ただ道を歩いているだけでも情報量が膨大になる。
だから、他の人にとっては些細なことでも、気にせずにはいられないのだそうです。

これは息子にも通じるところがあります。
息子は言語化があまり得意ではないので、
世界がどう見えているかを本人の言葉で聞くことはできません。

それでも、感じ方が私とは違うのは確かです。
相手の言葉の受け取り方が違うから、怒りやすくなる。

物理的な重力や圧力に敏感だから、
椅子をブランコのように揺らしたくなったり、
背中を床につけて這いつくばりたくなったりする。

症状の現れ方は違ってはいますが、
当事者の方の言葉で「世界の見え方の違い」「自分と周りの感じ方の違い」が
これほど具体的に、分かりやすく説明されている本には初めて出会いました。

まさに雷に打たれたような衝撃を受けました。

息子の住んでいる世界はどんななのだろう

同じ世界で生きているように見えて、実はまったく違う世界観の中で頑張っている。
発達障害は、これにつきます。

この本を読んで、それがどういうことなのか、解像度を上げて理解できました
息子に見えている世界がどんなものなのかはわからないけれど、
そのことを、どんなものかわからない世界に住んでいる、ということを、
常に忘れないようにすることが大事
なのだと思うようになりました。

この本は、発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つ保護者の方はもちろん、
すべての人に読んでほしい一冊です。
知ることで、きっと自分の中の価値観が変わるはずです。