ゲームをすると感情が高ぶって怒り、叫ぶ―結果的にどんな解決策に落ち着いたかについて

薬もスプラトゥーンには効果なし

息子は発達クリニックで処方された薬を飲み始めてから、かなり落ち着きました。
びっくりするタイミングで急に怒りだしたり、怒鳴ったりすることは、日常生活の中では激減しました。

……ただし、それはあくまで「日常生活の中では」の話。
ゲームをしている時だけは、効果ゼロなんです。

息子が好きなのは、対戦型ゲームの「スプラトゥーン」です。
勝ち負けがはっきりつくし、対抗戦の中で誰かを煽ったり貶めたりする場面もある。

そりゃあ感情を揺さぶられますよね。

どうぶつの森とか、マインクラフトとか、もっと落ち着いて遊べるソフトで楽しんでくれたらいいのに……と何度も思いました。
でも、惹かれるのはやっぱりスプラなんですよね。

「うわーーー!!!!」からの絶叫タイム

ゲーム展開が思うようにいかない時、息子は段階的にヒートアップしていきます。

まずは「はあ?」「なにやってんだよ!」という暴言からはじまり、「なんでだよ!!」「やめろよ!!!」「それはないって!!!!」あたりを超えると、もう怒りながら叫んで泣き出します。

「うわーーーー!!!!」「おーーーー!!」と叫びながら机を叩いているのか、部屋の外にもドタンバタンという音が響いてきます。

こちらが「落ち着いて!」「隣の人とか下の階にも響くからやめて」と声をかけても、もちろん届くわけがありません。

「あっちいけ!!!」「ほっといて!!!」「向こういって!!!」「うぉーーー!!!!」

何を言っても耳に入らない状態。
私が説得をあきらめて部屋から出ていくまで、真っ赤な顔で泣き叫び続けます。


ご近所には定期的に「ご迷惑をおかけしてると思います…」とあいさつに行くようにしていましたが、そんな謝罪より静かな環境が欲しいですよね…。
本当に申し訳ありませんと思う以外に何もできない日が続きました。

発達クリニックで言われた、まさかの言葉

さすがにこれはどうにかしなければと、発達クリニックの先生に相談してみることにしました。

何か解決のヒントがもらえるかもしれない、「ゲームを控えるように」と息子に言ってもらえるかもしれない。

内心そんな期待をしていたのですが、先生が口にしたのは、まったくの真逆でした。

「ゲームってね、怒っていても、楽しいんですよね。普段、感情をコントロールして我慢している分、感情のはけ口になっているんです。だから、取り上げてはいけないですよ。怒ったり叫んだりするのは、ゲームの間だけでしょ? それなら大丈夫」

そして息子本人には、こう声をかけただけでした。
「何のゲームしてるの? 楽しい?」

……つまり、今のこの状況は「正常」で、「何も問題ない」というわけです。

息子の心身の健康という意味では、たしかにそうなのかもしれません。
感情を出せる場所があることも、よいことではないのでしょう。

でも、毎日1時間のゲームをしている時間帯、急に聞こえてくる大きな音にはびくびくさせられるし、近所への音漏れも避けたい。

「息子の心の健康」と「家族の平穏&ご近所付き合い」を天秤にかけながら、どうにか両立する方法を探すしかありませんでした。

ゲームを取り上げない代わりに、息子に渡したもの

そこで取り入れたのが、自宅でボイストレーニングをするときなどに使う「声を吸収する道具」、いわゆるミュートマイクです。

口をすぽっと覆えるようになっていて、その状態で声を出すと音が小さくなる仕組みになっています。

こんな感じ↓

さっそく用意して、息子に渡しました。

ルールはシンプルに一つだけ。
「ゲームはしてもいい。ただし、叫ぶときはこれを使って」

ゲーム中はいつでも使えるように、机の上に置いておくことにしました。

ミュートマイクは使わずとも、より効果的に防音できる方法を発見

ここまでは我ながらいい作戦だと思っていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。

感情が高ぶっている真っ最中に、理性をもって「そうだ、あれを口に持っていこう」と行動するのって無理なんですよね。
もしかしたら、その存在自体を思い出してすらいないのかもしれません。

結局、実際にミュートマイクを活用できたのは数回だけでした。

ただ、 「マイクを使わずに叫ぶと、『使って!』と言いながら親が部屋に入ってくる」——このパターンに気づいた息子は、マイクを使う代わりに、ベッドにつっぷして叫ぶようになりました。

大声で叫んでも布団が音を吸収してくれます。
さらに良かったのは、足や手も一緒にバタバタさせられるということ。

声だけじゃなく、全身も使って、イライラやくやしさを発散できるんです。
それによって発散効率が上がったのか、叫ぶ時間が短くなりました。

息子にとっても、周りにとっても、ちょうどいい妥協点

息子はゲームができるし(ゲームをしても注意されないし)、周りも大きな音にびっくしりなくてすむ。
遠回りはしましたが、いい解決策にたどり着けました。

ミュートマイクは使うことはなくても、「これを使わないといけないくらいうるさくしているんだ」と思い出させるために、しばらく置いたままにしています。

なかなかちょうどいい妥協点って見つからないんです。
どちらかが我慢したり、頑張ったり、ということがやっぱり多い。

でも、探し続けていたら、いつか今回のように遠回りした後に、これなら!というのに出会えるかもしれない…と信じて日々模索中です。