ASD(自閉症)は自分のデータベースがすべて。それならデータベースを充実させれば「普通」に社会でやっていけるんじゃない!?作戦

前置きが長くなってしまいそうなので、結論を先に。

ASD(自閉スペクトラム症)の人の判断基準は、すべて自分です
自分の中にあるデータベースのみが頼りです。

なので、そのデータベースを充実させて、定型発達の人たちの基準を導き出せるようにすれば、困りごとが減ります

そのために有効なのは、私たち周りの人間がひとつひとつの出来事ごとに、望ましい対応方法や判断を伝えていくこと。
そのひとつひとつ、の粒度は想像以上に小さいです。

なかなか大変な作業ですが、それによってデータベースが充実することは、社会生活をスムーズに送るために必要な基礎となるんです。

「自閉スペクトラム症」は漢字のとおり。「自分に閉じこもる」=「自分だけが基準」

今は発達障害というと、ADHD、ASD、LDと英語名の略称でいうことが増えてきましたが、わかりづらい、と思うのは私だけでしょうか。

長男はグレーゾーンですが、ASDで定義されている特性が強いように感じています。
ASDは自閉スペクトラム症です。

ASDって言われると、なんだかよくわからない、厄介なものな雰囲気がありますが、「自閉スペクトラム症」って日本語で言い換えたら、「なるほど、自分に閉じこもるんだな」とイメージがわいてきませんか。

「自分に閉じこもる」=「自分だけが基準になる」というわけです。

だから、他人の気持ちはわからないし、自分が興味なければ相手の好きなものはどうでもいい。
自分が基準だから、予定調和とか、空気感とかがわからない
自分が好きなことだけしたいから、特定のものへのこだわりが強くなる。
自分の基準で納得できることじゃなければ、やりたくない

なるほど!!!ってなりませんか。

「自分だけが基準」ならそのデータベースを充実させればいい

ASDの人に多い、自分勝手にも見られがちなこれらの行動は、脳の障害のせいで「自分の中にある基準、データベースがすべて」になってしまうからです。

でも、だからといって「本人たちにはどうしようもないことだから仕方ないよね」って諦めたままだと、社会の中では生きづらくなります。

じゃあどうするのか、が今日お伝えしたいことです。

判断基準になるそのデータベースを、限りなく充実させていけばいいんです。
そうすれば、適切なデータを引き出せるようになります。

定型発達の人が自然と感覚的にやっていることを、論理的思考力でなんとかする、ということです。

自然な感覚ではないので、考えたり、演じたり、きっと本人に負荷はかかるのだとは思いますが、社会で生きていくうえでは必要な戦略だと思っています。

発達クリニックで気づいた、「1つの事例」から広げて応用できないという事実

どうやってこの結論に至ったのかというと、発達クリニックの先生への相談がきっかけでした。

「小学校で音楽室に移動するときに、息子が音楽バッグを廊下に置いて足で蹴りながら歩こうとしたんです。先生に『足で蹴らないで』と言われたら、今度はバッグはそのまま、手をほうきのように使ってカバンを掃いて進もうとしたんです。」
とか
「マンションで雪合戦をして遊んでいました。様子を見にいったら、なんとマンションの5階から雪を投げていたので『5階から投げちゃダメ!』と言ったら7階に移動して投げ続けようとしました。」
とかいう相談をしたわけです。

バカにしてる?
おちょくってる?
ふざけてる?
と思いますよね。

でも、息子的には本気なんです。
ある行動について注意されました、だから、その注意された行動はやめました、はいこれで解決!と思っているんです。

主治医にはこう言われました。
1つの事例から、じゃあこれもダメ、あれもダメ、と応用したり抽象化したりして、考えを広げることができません。『足で蹴らないで』は言葉の通りの意味しか持たないんです。『手で掃くのもダメ』『指で押すのもダメ』『リコーダーで突くのもダメ』『手に持って、運んでね』と言わないと、わかりません。」

そして、
「こういう風に、1つ何か困りごとや出来事があったら、常にいろんなパターンに広げて、説明してあげてください。とにかく、どれだけ多くのパターンを網羅できるかで、対応できることが増えていきます。
とアドバイスをもらいました。

最初聞いた時は、応用のできなさ度合いにびっくりしたし、いろんなパターンを説明するなんて無理すぎると思いました。

だって、私の頭の中では、「足はダメ」と言われたら、瞬時に「手に持って運ぶ以外はダメ」と変換できるので、他に何がダメなのかなんて考えたこともないわけです。

先生に
「あの…どこまで広げるかって、無限に可能性があるんですけど、どうしたらいいですかね」
と救いを求めて聞いたら、
無限なら無限になるべく近づくように、お母さん、頑張って!」
と言われました。

息子がやらかしそうなことを空想しまくる日々

その日から、空想の猛特訓でした。
小学生男子、しかも、グレーゾーンの息子が考えること…謎過ぎます。

なるべく私自身で考えましたが、途中からは息子にも手伝ってもらいました。

例えば、こんな感じです。
「昨日、〇〇君(息子の友達)の弟と会った時、かわいいからって頭をなで続けたじゃない?急にやったらビックリするから、本人か、ママがいたらママに、頭なでていい?って聞いてからやって。イヤっていったら、絶対やらないで。」
と言ったあとに
他に、頭をなでたくなる子とか、なでたことのある子っている?
と聞いて、▲▲君とか、□□ちゃんとか、というふうに名前があがったら、
「じゃあ、その子たちもいっしょのルールね」という流れにしたり。

頭をなでる以外に、二の腕を触るのも好きなので「二の腕も同じルールね。」と足しておいたり

数年続けたら、データベースの充実ぶりを実感できるように

いわゆるAIみたいなもの、だと思っています。
ビッグデータをどれだけ入れ込めるか、がカギ
です。

とにかく1つ1つ学んで、咀嚼して、納得して、経験と知識を蓄積していくしかありません。

小学生の頃は、本当に網羅することを目指して一方的に私が伝える、というのをやっていましたが、中学の後半頃からは変わってきました。

これまでのデータベースを有効に使えるようになってきたのか、
「AってことはBもだよ!Cもだよ!」
と私が言うと、
「知ってるよ!わかるよ!あとDもでしょ!」
と判断できるようになってきました。

がんばれ、息子。