「せっかく連れて行ったのに…」出かけても楽しめない息子と、我が家がたどり着いた「休日の最適解」

「息子には、幼いうちからできる限り多くの経験をさせてあげたい」

そう思って、幼少期はいろいろなところへ連れて行きました。
しかし、毎回帰り道に抱く感想は、虚しさと徒労感でいっぱいの「行かなきゃよかった…」。

その理由は、息子のリアクションでした。

帰る時間の合図でパニックに。ディズニーランドでの苦い思い出

たとえば、ディズニーランドに行ったときのことです。

とにかく本人が乗りたいものに乗り、食べたいものを食べ、通りたい道を通って楽しめるよう、できる限りの配慮をしました。

しかし、いずれ帰る時間はやってきます。
いきなり「帰るよ!」と言うよりは予告をした方がいいと思い、「そろそろ帰らなきゃだから、あとひとつだけ乗ったら最後ね」と声をかけました。

見通しを立てられるようにしたつもりでしたが、効果はありませんでした。

「なんであとひとつなんだよ!」
「なんであそこには行けないんだよ!」
「なんで帰らなきゃいけないんだよ!」

一度こうなってしまったら、もう機嫌が直ることはありません。
帰り道は、息子も私も、みんながどんよりした顔

朝からずっと、すべて息子に合わせて遊びまわったのに、結局最後はこうなるのか…。
どうせこうなら、最後は、私自身が行きたいところを回ればよかった。
そもそも、お金と時間をつかって来る必要なんてなかった。

そんな言葉がぐるぐると頭を駆け巡っていました。

親の思い描く「楽しさ」と、本人の「お気に入り」のズレ

箱根旅行へ行ったときもそうです。

芦ノ湖で遊覧船に乗り、大涌谷でロープウェイに乗って黒たまごを食べ、ガラスの森美術館で工作をする。
景色を見るだけだとつまらないだろうと思い、体験できる内容を詰め込んだプランを立てました。

けれど、息子が旅行中で一番気に入ったのは、宿泊したホテルの庭にいた「金魚」でした。
どこにいても「早く帰りたい」と言い続け、ホテルに戻ってから数時間は、ただじっと金魚を見て過ごしていたと思います。

当時は、まだ息子がグレーゾーンだと分かっていないタイミングでした。

「せっかくこれだけしてあげているのに…」とモヤモヤし続けていましたが、こちらの「こうすれば楽しいはず」という価値観を押し付けていただけだったんですよね。
今なら分かります。

出かける楽しさより、いつもの落ち着いた環境が好き

成長するにつれて、旅行先で文句を言ったり癇癪を起こしたりすることは減っていきました。
しかし、根本的に「旅行自体が好きではない」ようです。
家族旅行に限らず、学校で行く修学旅行すら「面倒くさくて嫌い」だと言います。

また、長期休みに私の実家へ帰省すると、祖父母は「おもてなしをしなければ!」と、一泊旅行や車で1時間ほどの人気店へのドライブなど、たくさんのプランを考えてくれます。

そんなとき、息子ははっきりとこう言います。
「ずっと家でいい。出かけるとしても、3日に1回、片道30分くらいの範囲がいい」

周囲からは「遠慮しないでいいんだよ!」と言われますが、これは遠慮でも何でもなく、彼の素直な本音なのです。

刺激に敏感な彼にとって、外へ出かけることや環境が変わることは、親が想像する以上に脳と体を消耗させることだったのだと気づかされました。

「どこかへ行かなきゃ」を手放す

夏休みや冬休み、ゴールデンウィークやシルバーウィーク。
さらにハッピーマンデー制度で3連休も、昔よりもずっと増えました。

テレビやSNSを開けば、「休日は家族でお出かけ!」「素敵な思い出作り!」といったキラキラした情報があふれ、「どこかへ連れて行かなければ」というプレッシャーを感じます。

でも、今の我が家は「どこにも行かないことこそが平和であり、最適解である」と思っています。

遠くへ行くことや、特別な体験をすることだけが思い出ではありません。
自分の居心地の良い場所で、静かに自分のペースを守って過ごすことこそが、息子にとっては一番のエネルギー補給であり、安心できる時間であり、休日のあり方なのです。

ただ、娘(妹)もいるのでそちらとのバランスにも気を付ける必要があります。
私と娘は出かけて、パパと息子は留守番にしたり。
4人で出かけるけれど、息子はホテルの部屋でゲームをして過ごしたり。
みんなの我慢がそれぞれ最小限になる方法を、探り中です。