発達障害の薬は副作用が怖かった。息子は「ふつうの大人になれるか心配で怖いから薬を飲みたい」

ただ見守るだけ、ではなく医学的な根拠がほしかった

長男が学校で暴れている、という連絡をもらってから、
スクールカウンセラーや心理士さん、
市のサポートセンターなどいろいろな人に相談をしました。
みなさん丁寧に話を聞いてくれたし、アドバイスもいただきました。

ただ、基本的な姿勢は「一緒に見守っていきましょう」というもの。
とてもありがたいことなんです。
でも、見守るだけで長男の状態がよくなるとは思えなかった

これは、絶対に病院に行った方がいい。
見守るにしても、もっと医学的な根拠が欲しい。
そう思って、家から通える距離の発達クリニックを調べはじめました。

また、別の記事でいつか書きたいと思っていますが、
発達クリニックってなかなか新規で診察予約が取れないんです。
長男のときも、数か月待ちが当たり前でした。

そんな中、第2希望の病院に新規枠にキャンセルが1つ出て、
当日の朝に電話をかけ「今!今から!すぐに行きます!!!」と、
すべり込むことができました。
(学校のある日でしたが、担任の先生に相談して長男を早退させてもらいました。)

通院を希望しはじめてから、すぐに診察してもらえるなんて、
本当に奇跡のような運の良さだったと今でも思います。

初診で2種類の薬を処方。ただ副作用の不安がぬぐえない

初診では、とてもゆっくり時間をかけて、
これまでの発育の状態や、最近の長男の言動を聞き取ってもらいました。

ひと通り話したら、先生は「では、薬を処方しますね」と薬の説明を始められたんです。
正直な感想は、「診断もなく薬!?」という驚きがいちばんでした。

今思えば、処方するのに十分な状態だったのだけど、
それまでは「お母さん、がんばりましょう」という励ましがすべてだったので、
いきなり薬を試してみるなんて、ちょっと乱暴では?
と思ってしまったわけです。

しかも、精神の病の薬や発達障害の薬は、副作用が強いとも聞きます
実際、先生からも
この薬は強いから、半錠に割った最小容量からはじめてみますね
「副作用はこの小冊子にまとめてあります。
どんな症状が出るか個人差があるので見守ってあげてください。」
と言われました。

この時、長男は小学4年生。
まだまだ小さな体に強烈な副作用が出たらどうしよう、
という不安がこみあげてきました。

「薬はちょっと怖いから、飲むかどうか考えたいです」
と言いそうになりましたが、せっかくここまできたんだし、
とりあえずもらうだけもらってみて、考えようと。

その時に処方されたのは2種類です。
「抑肝散化陳皮半夏」という怒りの感情をおさえる漢方薬と、
「リスペリドン」という不安や緊張を抑える薬でした。

処方された「リスペリドン」ー検索結果には「廃人」と

副作用が強いと聞いたことがあったのは「リスペリドン」の方です。
リスパダールとも言います。

飲むときの注意として手渡された小冊子のページ数の多いこと。
想定される副作用がたくさん羅列されていました。
・アカシジア(じっとしていられない)
・不眠
・眠気
・便秘
・手足の震え
・よだれ
・不安や焦燥感
・筋肉のこわばり
・倦怠感
・発疹

副作用が多すぎる。そして、内容が小学生向けにはおそろしい。
さらなる情報を求めて
「リスペリドン」+「スペース」でネット検索してみると、
いちばん上にきたのが「廃人」だったのでした…。

長男は、副作用のリスクがあっても服用することを希望

私は長男に薬を飲ませていいのか、わからなくなってしまいました。
薬を飲んで症状が落ち着けばいい、と思うのは親のエゴなのかもしれない
という気持ちが大きくなってしまったんです。

家に帰ってからもカバンから薬を取り出すことができずにいたら
「今日もらった薬飲まないの?」
と長男が聞いてきました。

何も知らせないままとりあえず飲ませることはできませんでした。
なので、小冊子に書かれた副作用やネットの情報も踏まえて、
こういう副作用が出るかもしれないけれど、どう思う?」と
長男の意見を聞くことに。

すると、長男は「飲む」と即答したんです。
そして、急に泣き始めて、嗚咽しながらこう言いました。
「自分がふつうの大人になることができるかどうか、心配でたまらない。
ちゃんとした大人になるために薬を飲みたい。」

いつも怒られてもひょうひょうとしているように見えていたから、
とても驚いたし、これほど追いつめられていたのかとショックでした。

そして、ここまで本人が辛い思いをしているのなら、
多少の副作用が出たとしても、試す価値はあると感じたので、
その日から服薬をスタートすることに決めました。
私がフォローできる程度の副作用なら、全部うけとめてやる!

薬の副作用については、息子に関わるみなさんに共有

発生しうる副作用の内容については、
学校の先生はもちろん、習い事でかかわる皆さん共有しました。

授業中に眠気がきて居眠りしても、怒られないように。
不安感が強まって、いつも以上に情緒不安になってないか、見てもらうために。
などなど、何かあった時に対応できる体制を作っておきました。

結果的に、目立つ副作用は出なかったし、薬の効果も抜群でした。
服薬を始めてよかったと思っています。

それぞれの状況に応じて、本人や家族にとっていちばんいい選択を

発達障害に対して薬を服薬するのは適切ではない、という声もあります。
実際、身近な友達のひとりもそっち派です。

私は、服薬させているけれど、どっち派でもありません。
薬のリスクや怖さはもちろん、
薬との相性や効果の出方が、個人個人で違うことも知っていからです。
そして、薬によって本人やその家族が楽になれることも知っています。

何が正解か、なかなか見極めづらいけれど、
本人の意思も尊重しながら、
各々の状況や価値観に沿ったいちばんメリットの多いやり方に、
多くの子どもたちと保護者のみなさんがたどり着けますように。